岡山地方裁判所 昭和62年(わ)656号 判決 1988年3月25日
本店の所在地
岡山市本町一番四号
法人の名称
株式会社ラタン
代表者の住居
右同所
代表者の氏名
代表取締役 重歳澄江
本籍
右同市本町一八二番地の一〇
住居
右同市本町一番四号
会社役員
重歳澄江
昭和八年一月一七日生
右両名に対する法人税法違反被告事件につき当裁判所は検察官寺本茂夫出席の上審理を遂げ、次のとおり判決する。
主文
被告人株式会社ラタンを罰金一八〇〇万円に、被告人重歳澄江を懲役一〇月に各処する。
被告人重歳澄江につき、この裁判の確定した日から二年間右懲役刑の執行を猶予する。
訴訟費用は被告人株式会社ラタンと被告人重歳澄江の連帯負担とする。
理由
被告人株式会社ラタンは、岡山市本町一番四号に本店を置き、喫茶店経営を事業目的としているもの、被告人重歳澄江は同会社の代表取締役として同会社の業務全般を統括しているものであるが、被告人重歳澄江は、同会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、同会社の店舗喫茶ラタンに設置したテレビゲーム機の収入金の大部分を除外し、薄外で有価証券を取得するなどの方法により所得を秘匿した上
第一 昭和五九年一月一日から同五九年一二月三一日までの事業年度における同会社の実際の所得金額が二、四九三万三、六五一円で、これに対する法人税額が九八一万一、九〇〇円であるのにかかわらず、同六〇年二月二七日同市天神町三番二三号所在の所轄岡山東税務署において、同税務署長に対し、その所得金額がなく納付すべき法人税額はない旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により同会社の右事業年度における正規の法人税額九八一万一、九〇〇円を免れ
第二 同六〇年一月一日から同六〇年一二月三一日までの事業年度における同会社の実際の所得金額が五、九六七万四、八九四円で、これに対する法人税額が二、四八五万四、八〇〇円であるのにかかわらず、同六一年二月二七日前記岡山東税務署において、同税務署長に対し、その所得金額がなく納付すべき法人税額はない旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により同会社における右事業年度の正規の法人税額二、四八五万四、八〇〇円を免れ
第三 同六一年一月一日から同六一年一二月三一日までの事業年度における同会社の実際の所得金額が八、三七五万二〇七円で、これに対する法人税額が三、五二七万九、七〇〇円であるのにかかわらず、同六二年二月二七日前記の岡山東税務署において、同税務署長に対し、その所得金額がなく納付すべき法人税額はない旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により同会社の右事業年度における正規の法人税額三、五二七万九、七〇〇円を免れ
たものである。
(証拠の標目)
被告人の当公判延における供述のほか、第一回公判調書中の証拠等関係カード(検察官請求分)に記載された証拠番号(以下のとおり)と同一であるから、これらを引用する。
判示の全事実につき 2ないし7、9ないし22、25、28ないし31、33、35、37ないし52
(法令の適用)
一、判示所為
判示の各所為 法人税法一五九条、一六四条一項
一、刑種の選択 (被告人重歳澄江につき)懲役刑選択
一、併合の処理
刑法四五条前段、四七条本文、一〇条(犯情の最も重い判示第三の罪の刑に加重)四八条二項
一、刑の執行猶予 (被告人重歳澄江につき)刑法二五条一項一号
一、訴訟費用の負担 刑事訴訟法一八一条一項本文、一八二条
(裁判官 岩野寿雄)